「恋をしーちゃいましーたっ♪」

 

「やっちゃったー♪

ってやらせんじゃないわよ!

あ~~も~~なんでよりによってしま男なの~~!」

 

「ええがな別に。」

 

「ちょっと!他人事っていうか動物事じゃん!」

 

「うん。そやで。ていうか、なにがあかんねん?」

 

「だって~、お金ないし、仕事できないし、ダサいし、お腹でてるし・・・。」

 

「ふーん。ほかには?」

 

「宇佐美とかチー子になんかバカにされそうだし・・・。」

 

「ふーん。紹介するのが恥ずかしいと?」

 

「だってそうじゃない?なんでよりによって、こんなシマウマなの?って思われるじゃん。」

 

「ふーん。そうなんやー。

三度目のどアホう!!」

 

「・・・!!

なによ・・・。怒らなくてもいいじゃない!」

 

「お前は友達にええカッコしたいからええ男と付き合うんか?

そんなもん、やってることはモデルとかレースクイーンのお姉ちゃんを愛人にして、自慢してる金持ちのおっさんと変わらんぞ。」

 

「だって・・・!みんなに羨ましがられたいじゃない!」

 

「お前はそもそもなんでしま男と飲みに行くようになったんや?

コイツがええ奴でお前的に面白いからやろう。」

 

「うん・・・。そうだね。」

 

「たしかに、お金はないかもしれん。仕事もできひんかもしれん。ダサいかもしれん。

でも、ええ奴でやさしくて、お前のことを守ってくれた。

その事実には代わりないし、それだけでも十分ええ男ちゃうんか。」

 

「・・・。そうだけど・・・。」

 

「友達の好きな人を表面的な部分だけで見て、ちゃんと知ろうともせずに否定するのはほんまの友達か?

あの2匹はそんな奴らちゃうやろ。」

 

「うん、アイツらはちがう!そんな奴らじゃない!」

 

「そうやろ?

それにな、今は仕事ができひんくても遅咲きタイプってことも可能性としてあるわけや。

しま男は要領がわるいだけで、仕事に対する熱意はあるやろ。

じゃないと2話目で仕事のことで号泣したりせーへん。

ほなら、仕事のやり方さえ変えたら、花開くこともあるっていうことや。

なんでもそうやけど物事が上手くいかんのは、『やり方が間違ってるか』『向いてないか』のどっちかや。

しま男の場合、俺は前者やと思うけどな。」

 

「えっ!なんでそんなこと分かんの!?」

 

「仕事に熱意があるということは、仕事が好きっていうことでもある。

そもそもやけど、好きなものじゃないとスキルアップもせーへん。

『好きこそものの上手なれ』っていうことわざがあるやろ?

たしかに、新人の頃はやる気があるけど、そのうちダレる奴はたくさんいる。

でも、コイツは怒られても怒られても仕事にちゃんと向き合ってるんちゃうか?」

 

「あ!たしかに!

怒られてもへこたれずにまた仕事に打ち込むし、なんて打たれ強いんだって思ってた!」

 

「打たれ強いのもあるけど、好きじゃないとそこまでできひんわ。

ほんで、しま男のダサさや。

よう考えてみい。ダサいのなんてお前が変えたればええやろ。」

 

「あっ・・・!そっか!私がしま男のスタイリストになればいいんだ!」

 

「そういうこっちゃ。ほら、ちょっと未来が見えてきたやろ。」

 

「うん!私が好きになったオスは間違ってないかもって、ちょっと思えてきた!

よーし!しま男をイケオスのしまうまに変えてやる!」

 

「その意気やよしなんやけど、それは付き合ってからの話やな。」