




「ちょっと!なんでミーコをこんなキャラ設定にしたのよ!
先行きが不安でしょうがないじゃない!」

「だってふつうのネコを登場させてもおもろないやん。」

「そりゃそうだけども!」

「まあこっからホル菜はミーコに振り回されまくるわけやけど。
ミーコはめっちゃ腹立つことしてきよるで~。
耐えられるかな~。」

「え!?
なにしてくるの!?」

「それは後々のお楽しみということで。」

「ちょっと!教えなさいよ!」

「教えてもうたら読者さんがつまらなくなるがな。」

「あ、そうか。
え~。でもなにされるんだろう・・・。」

「1つ言えることは、ホル菜がこれから試されるのは、『感情のコントロール』やな。
それに打ち勝つことができひんとお前の恋はさらに詰んでしまう。」

「ちょっと!『さらに』ってなによ!
まだ終わったって決まったわけじゃないでしょ!」

「前回も言うたけど、不利な状況であることに変わりはないねん。
お前が感情のコントロールができるかどうかによって、今後が変わってくると思った方がいい。
すくなくとも、自分の感情に飲まれてもうたら先がないことはたしかや。」

「う~。
私にできるのかなあ。
でもさ、なんでミーコは最初にあれだけ仕事ができたのに、急にやる気がなくなってきたの?」

「ああ、これはな、『自分の力を過信してるヤツあるある』や。
こういうヤツらはなまじ仕事ができるもんやから、なんでもそつなくこなせてしまうねん。
それが続くとどうなると思う?
仕事に飽きてくるねん。
だって、簡単にできてしまうわけやし、最初から100点取れるって分かってるゲームを何回もできひんやん。」

「そういうことか。
でも、私がいる広告業界って、そんな簡単なものじゃないし、もっと奥深いものだと思うんだけど。」

「それはお前の勤続年数とか能力に合わせて、与えられた仕事の幅が広がってるからそう言えるんや。
でも、新人の間って研修期間中はできることが限られてるやろ?
能力やスキルが高い新人から研修期間を終えれるような会社やったら飽きはこーへんやろうけど、そうじゃない会社やと、決められた研修期間をこなさんとあかんやん。」

「たしかに。
私のいる会社は新人の研修期間が決まってるわ。」

「それと、自分の力を過信してるヤツは、最初に圧倒的な能力を見せておいたら、会社から重宝されることも知ってるねん。
だから最初はめっちゃ頑張るねんけど、続かへんねん。
とくに、与えられた仕事が誰にでも出来るような単調なものであればあるほど、飽きるのも早くなる。
あと、こういうヤツらは『自分はもっとできるはず』という過信をいつもしてるから、実際の自分の能力がどんなものか分かってないことが多い。
なまじ仕事ができるから、自分はなんでも出来ると勘違いしてしまうねんな。」

「なるほど。
でも先輩に舌打ちとかありえなくない?」

「ありえへんよ。
ただ、ミーコのように自分を過信してるヤツは異様にプライドが高いのもあるから、否定されることに慣れてないし、自分を否定してきたヤツはその瞬間から敵になることも多い。
そやからホル菜はすでに、ミーコの敵になってしまったということや。」

「ムカつく!
サボってたミーコが悪いのに!」

「自分の力を過信してるヤツの特徴の1つに、『自分は人よりも出来ているからちょっとぐらいサボってもいい』という変な思い込みもあるねん。
そやから、自分の態度が目に余るから注意されたと考えずに、自分のことを嫌いやから否定してきたという見方になるヤツもいるな。
そこまで極端なヤツはそうそういないから、『まさか注意したことで自分が敵になってないだろう』と思ってまうねんけど、ミーコのような人種っているねん。」

「う~~。
ってことは、私はかなり厄介な動物の教育係になってしまったということか・・・。」

「そういうことになるな。」

「今でも十分に腹立つのに、これから先、感情のコントロールが出来るかどうか不安で仕方がないわ。」

「まあそこまで心配するな。
俺がついてるやろ。」

「そっか、そうだよね。
ちょっと気持ちが楽になったわ。」

「よし、ほなら次にいこうか。」

「うん!」


