「なかなかの酒癖の悪さやな。」
「そうなのよね~。飲み始めると止めらんなくてさ。
フジーも酒飲みだから分かるでしょ?」
「分かる。止められへんねんな。
でも俺はお前ほど酒癖悪くないで。
今までお前の酒癖の悪さを見て、離れていったやつも結構おったんちゃうか?」
「うっ!痛いとこつくわね・・・。
そうよ!お察しのとおり酒癖の悪さがバレたらドン引きするオスもいたわよ!」
「男って酒癖が悪い女性を嫌うからな。
酔い方にもよるけどホル菜のような酔い方やと、『コイツは酒を飲んだらこんなに乱れるのか』と思って引くねん。
そういう相手を好きになった場合、自分がいないところで同じように酔ってるんちゃうかと思ったら、気が気じゃないからな。」
「だよね。元カレにも何人か『もう飲みに行くな!』って怒られたことあるけど、『はあ?なんでアンタに指図されないといけないわけ?』って逆ギレしてたなあ。
今思うとちょっと申し訳ないことしたかな~。」
「ちょっとやなくて、だいぶ申し訳ないぞそれ。
まあ、俺も飲みに行くなとか言われても絶対に聞かへんけどな。」
「あはは!だよね~。
宇佐美たちも、私の酒癖の悪さはなおらないんだから、早く諦めて受け入れてくれればいいのに。」
「いや。ツレでもゲロかけられるんはキツいぞ。」
「うっ!まあそうなんだけど・・・。
でもさ~。そう考えると、ありのままを自分を受け入れてくれる相手って本当に大事と思った。」
「そやな。なかなかおらんわ。
恋人同士、夫婦とわず、相手の欠点をなおしてほしいと願うのは程度の差があれ、いわば『条件つき』の愛情やねん。
好きと愛してるの違いは色々と定義があるけど、1つの定義として『○○だから好き』は条件つきの愛情、『○○だけど好き』は愛ということになるな。」
「なるほど~。
そう考えたら、私は今まで条件つきの愛情でしかオスを見てなかったな~。
だって、お金もってないオスじゃないとイヤって、まさしくそういうことだもんね。」
「そのとおりや。
そんなホル菜が、条件つきじゃない恋をする様子を引きつづき見よか。」